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慰謝料や休業損害は払われたが

優秀なセールスマンが事故に遭い
会社が被った損害はどうなるか

従業員の受傷と会社への慰謝料と逸失利益

Aさんは一流会社の従業員ですが、加害者の運転する車に追突されて、頚椎捻挫と腰椎挫傷の傷害を受けて通院、そのために会社に事故後5ヶ月就労ができませんでした。Aさんは会社の一従業員にすぎませんでしたが、勤める会社の優秀なセールスマンとして毎月かなりの売り上げがあったため、勤める会社ではAさんの就労不能により大きく売上額が減少したものです。

Aさんへは慰謝料を含め休業損害等は支払われていますが、会社としての企業損害が問われたものです。この場合会社は加害者へ利益の減少分を請求できるのでしょうか。

間接損害の意義

私たちが日頃加害者の立場にたって慰謝料や休業損害など示談交渉を進めていると、被害者側から上記のように、従業員の負傷による会社の逸失利益の賠償を求められることがしばしばあります。企業の従業員が負傷したことによる企業自体の損害の賠償請求が可能か否か考えてみようと思います。

民法709条では「故意又は過失により他人の権利を侵害した者は、これにより生じた損害を賠償しなければならない」と規定していますが、これは交通事故により生命や身体に直接侵害を受けた者(直接被害者)が、自己の名でその侵害を理由に、加害者に対して慰謝料等の損害賠償を請求することができることを定めている規定であることは疑問の余地はありません。

しかし、直接被害者以外の者に損害が生じた場合に、その第三者(間接被害者)は、自己の名でその侵害を理由に加害者に請求できるか否かについては、この規定の文書からは必ずしも明らかではありません。

そのため、近時特に企業の構成員が生命、身体を侵害されたことにより、構成員とは別の人格をもつ企業が得べかりし利益の喪失により損害を受けた場合に、その損害賠償を請求できるか否かが企業損害の問題として議論されているわけです。

企業損害についての考え方

企業損害に関する見解としては、次のようなものがあります。

まず相当因果関係説と言う見解ですが、この見解は被害者が直接か間接かを問わないで、すべてを損害賠償の範囲の問題として把握し、その損害と事故が相当因果関係を有するか否かによって決めようとするものです。

この見解によれば、損害と事故とが相当因果関係のある限り、間接被害者の損害であっても、損害賠償請求を認めることになります。

つぎに債権侵害説と言う見解があります。企業の従業員と企業間には、雇用契約が結ばれており、この契約に基づき企業は従業員に対して、労務の給付を請求できる権利があるのですが、第三者が従業員を負傷させることは、企業が従業員に対して持っているこの権利を侵害することになります。

したがって、企業は第三者に対して債権侵害を理由として、損害賠償の請求が可能とする見解です。

この見解によれば、企業は労務給付請求権を侵害された直接の被害者と言うことになりますので、間接被害者の損害を認めません。

最後の見解は、この債権侵害説と同じように、間接被害者は損害賠償の請求はできないが、直接被害者と間接被害者との間に、「経済的同一体」ないしは「財布共通」の関係にあるときに限って、例外的に損害賠償の請求ができると言う見解です。この見解は一般に経済的同一体説と呼ばれています。

裁判例の考え方

このように間接損害者に損害賠償請求の主体たりうる地位を認めることができるか否かについては、多くの見解がありますが、判例では従業員の受傷による企業損害の賠償請求はほとんど認めていません。

認めない根拠は、相当因果関係説の立場にたって、企業の損害と事故との間の相当因果関係を否定するものもありますし、経済的同一性がないことを理由にするものもあります。

私の扱った事案で、水産物卸売会社の主要な働き手である息子さんが受傷したことにより、会社は休業のやむなきに至ったとして、それによる損害賠償を求めた事案ですが、結果は息子さんの負傷休業中適当な使用人を雇い入れて、営業を従来どおり維持継続することも、あながち至難の業とは考えられないから、息子さんの休業のよりもたらされた会社の商品売り上げ減にもとづく損害のごときは、事故に関し不可避的に生ずる損害とは言えないとして、請求を認めていません。

またこの事案は、電気製品販売会社の店長が受傷したが、その者が会社にとってかけがえのない者であったため、企業損害が生じたものとして賠償を請求したものですが、被害者本人の逸失利益と会社の逸失利益を同視できるわけでもなく、また経済的に同一体とする関係があるとは言えないとしてやはり請求を認めていません。

代表取締役の受傷

会社の従業員の負傷による企業の慰謝料及び逸失利益の請求は、まず認められないのですが、会社の代表者の受傷の場合については、判例が出されており、それによれば企業損害を一般的には認めていませんが、次のような基準のもとに、例外的に企業損害を認めるとしています。

・俗に言う個人会社であること。

・代表者の機関としての代替性がないこと。

・企業と代表者との間に経済的同一性が認められること。

この基準は深く浸透しているため、企業の代表者の受傷の場合で、この基準を満たすような場合は、被害者としては企業損害の請求が可能となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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