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内縁の妻の慰謝料請求権

交通事故の被害者に別居中の妻と
同棲中の内縁の妻がいた。

交通事故で死亡した平尾 昌晃さん(仮名)の遺産相続問題

交通事故で死亡した平尾 昌晃さん(仮名)には10年間同棲し、夫婦同様の生活をしている内縁の妻M子さんがいます。また平尾さんとの間に生まれた太郎君があり、さらにM子さんは平尾さんの子を妊娠中です。

ところが、平尾さんには事実上離婚状態にある戸籍上の妻F子さんと3人の息子があり、戸籍上の妻F子さんらは平尾さんへの慰謝料を含めた賠償金はM子さんらには渡さないと強烈な主張で加害者と示談交渉を進めています。内縁の妻M子さんの慰謝料を含めた損害賠償請求権はどうなるのでしょうか。

相続関係 ― 内縁の妻M子さんは認められない

いかに事実上の夫婦関係が長く続き、子供までもうけて、外見からみれば正式の夫婦と何ら変わりない状態であっても、婚姻届けがなされない限り法律上の夫婦とは認められず、相続権はありません。

従ってM子さんは平尾 昌晃さんの慰謝料を含む損害賠償請求権を相続することができないことは言うまでもありません。

しかし内縁の妻の子太郎君については、平尾さんの子供ですから相続人となります。またM子さんは妊娠中ですが、その胎児については「胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす」(民法886条)とされ相続権が認められます。この規定は胎児が生きて生まれてきたときに、相続開始の時に遡って相続したものと認められる趣旨であり、胎児のままで母が法定代理人となって相続することはできません。したがって胎児が生まれるまで待つほかありません。

ところで、M子さんの子太郎君については、正式の夫婦の子ではありませんから、平尾 昌晃さん(仮名)の認知がなければ法律上の子とは認められません。すでに認知がなされている場合は問題ないのですが、もしそうでなければ認知の訴を提起し、認知の判決をもらわなければなりません。

このように平尾さんの相続人は、戸籍上の妻とその息子3人、M子さんの子太郎君と生まれてくる胎児と言うことになります。

なお、相続分は戸籍上の妻が1/2、残り1/2を子らで分けるわけですが、内縁のM子さんの子らは非摘出子ですので、戸籍上の3人の息子の1/2となります。

内縁の妻M子さんにも慰謝料を含め損害賠償請求権はある

このように内縁の妻M子さんには相続権がないのですが、10年間も事実上婚姻と同様の関係にある内縁の夫が死亡すれば、これまでの扶養を受けてきたM子さんらは明日からの生活に困ってしまいます。

ここでM子さんらの扶養請求権の侵害による損害賠償請求権を考えなければなりません。平尾さんがもし生きていれば、その働きによって得たであろう収入の大部分は内縁の妻M子さんやその子の扶養のために費やされたはずです。

この点につき裁判の判例では、「相手に法律上の配偶者のある事を知らず、あるいはこれを知っていても離婚が近く実現し、自分が正式の配偶者になれるものと信じて内縁関係に入る合意をした場合であり、かつ男と本来の配偶者との婚姻関係に事実関係を伴う同居および生計の維持や子女の教育の上で相互協力扶助の関係が失われて事実上離婚同様の状態となり、かえって第二の女性との間にかかる実質関係が成立し、世間的にも夫婦とみなされて相当の年月を経た場合には、たとえ戸籍上の表示はもとのままで、本来の妻との間に法律上の婚姻関係が残存しているとしても、それはもはや形骸化したものであって、第二の女性との間に、単なる情交関係ないし妾関係とみなし得ぬ内縁関係が社会的事実として認めることを妨げない」として、重婚的内縁関係の成立を認めています。

従って、M子さんの場合も平尾さんと正妻との関係が破綻しているとみられますから内縁の妻として扶養請求権は認められ、その侵害により損害を生じたとして加害者に対する賠償請求権が肯定されると言うことが言えます。

それでは、M子さんに慰謝料を含む損害賠償請求権があるとして、相続人の請求権との関係はどうなるのでしょうか。

加害者に二重の賠償を強いる不合理

相続人の範囲と故人の収入により現実に扶養されていた者の範囲が一致する場合は、いわゆる慰謝料や逸失利益による損害賠償請求権を相続したと考えて差し支えありませんが、この事案のような場合、相続による請求と別に扶養請求権の侵害による請求を認めたのでは加害者に二重の賠償を強いることになり不合理です。

結局、具体的な扶養請求権の損害額を算出して、総額的に調整するという方法をとらざるを得ないことになります。

内縁の妻M子さんの将来扶養を受け得たであろう年数の総額を損害額と認定するものの、ただ戸籍上の妻がいるの場合に、現実に夫に遺棄されて何らの扶養を受けていないとしても、その妻にも扶養請求権があり、戸籍上の妻には何ほどの扶養がなされるべきであったかを斟酌することが必要であり、内縁の世帯において妻が夫から受けた日常の扶養の額をそのまま基準とすることはできないとして減額しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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